下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は自然に治癒するものではありません。状態が悪化する生活に支障を来す可能性があるので、適切な治療や予防方法、ケアの方法など、正しい知識を身につけて、この疾患を早く快方するようにしましょう。

症状について

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤ってどんなもの?
足の静脈の逆流防止弁が壊れて正常に機能しなくなることで血液の逆流が起こり、逆流した血液により血管が徐々に拡張されるなど外見上でもわかる病気です。
推定患者数は1千万人ともいわれ、身近に起きやすい病気の一つです。

原因

どうして下肢静脈瘤になるのか。
下肢静脈瘤は静脈の病気です。
足の静脈は、筋肉と筋肉の間にある深部静脈と筋肉と皮膚の間にある表在静脈に大別されます(図1)。

表在静脈は皮下の血液を深部静脈に運び、深部静脈は血液を心臓に返す働きがあります。
これらの静脈の血管内には、重力に逆らって心臓に血液を送るため、血液の逆流を防止するための"ハ"の字型の弁(逆流防止弁)があり、立っている時に血液が足の方に逆流するのを防いでいます(図2)。

ところが、何らかの理由でこの弁が壊れて血液が逆流することで(図3)、血管は徐々に徐々に拡張します。
この状態が「下肢静脈瘤」です。
一度壊れた逆流防止弁は自然に治ることはありません。
また、長時間の立ち仕事や妊娠・出産、肥満、遺伝的要因により、女性に多く発症する病気です。
図1
図2