下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は自然に治癒するものではありません。状態が悪化する生活に支障を来す可能性があるので、適切な治療や予防方法、ケアの方法など、正しい知識を身につけて、この疾患を早く快方するようにしましょう。

なりやすい体質について

ヘルシーベイン(健康的な静脈)

2012年アメリカ静脈学会が中心となって作成したホームページ「ヘルシーベイン(健康的な静脈)の中で、女性のリスクは2.5倍と警鐘を鳴らしています。

女性ホルモンは生理の時に激増し、その女性ホルモンのひとつ、プロゲステロン(黄体ホルモン)は血管を広げ、結果的に血管にダメージを与えるとの見解を出しています。

また、妊娠・出産も下肢静脈瘤の3大要因に入っていることから、男性よりも女性に多く発症する病気として知られています。

図1

長時間の立ち仕事・デスクワーク

長い時間、足を動かさず立っていると、足の血液の流れが悪くなってきます。

足の静脈の血液が、重力に逆らって心臓方向に流れていけるのは、静脈の中にある逆流防止弁の働きに加えて、ふくらはぎの筋肉の働き(筋ポンプ作用)があります。
長い時間ずっと立ったまま(座ったまま)でいると、筋ポンプ作用が働かないため、血液の流れが悪くなってしまいます。

その結果、血管内に血液がたまりやすくなり、逆流防止弁にも圧力がかかり、逆流が起こって血管が膨らんできます。

例:調理師・美容師・理容師・デスクワークなど

図2

体質

体質的に血管壁が弱いという場合もあります。
身内に下肢静脈瘤ができている人がいる場合は、体質的に似ていることもあるので、発症する確率が高いと言われています。

男性で下肢静脈瘤を発症している場合、母親や祖父母の方が下肢静脈瘤というケースもありますので、遺伝的要因が関係していることがわかります。

図3